理事長 川原 由佳里
このたび、第14期日本看護歴史学会理事長を拝命いたしました川原由佳里です。本学会のさらなる発展に向けて微力ながら尽力してまいります。
日本看護歴史学会は1987年の設立以来、「看護に関する歴史の新たな方向性と可能性を求め、広く看護歴史を考究する」ことを目的として活動を続けてきました。先達の先生方は、これまで学術集会や学会誌の発行のみならず、看護史資料の保存・継承、出版活動、社会への発信などを通して、看護の歩みを次世代へ伝える役割を果たしてこられました。近年では、NHK連続テレビ小説「風、薫る」の制作に際し、看護考証に関する協力を行いました。看護の先人たちの存在が知られ、日本の近代看護の歩みに関心をもってもらえるよい機会となりました。
歴史研究は単に過去を振り返るためのものではありません。、先人たちが直面した困難や葛藤、そこから生み出された知恵や実践を知ることは、現代の課題を考えるための確かな視座を与えてくれます。看護の歴史には、健康と病気、戦争や感染症、災害、貧困と向き合いながら、人々の健康と生活を支えてきた先達の歩みが刻まれています。その歩みを丹念に掘り起こし、検証し、社会へ発信していくことが、研究者だけではなく、看護職者、学生、そして市民の皆様にとって、より豊かな価値を生み出していくものと考えています。
今後も本学会では、学術集会や学会誌、研究交流を通して、世代や専門領域を超えた対話を促進し、新たな看護歴史研究の可能性を切り拓いていきたいと考えています。会員の皆様お一人おひとりの研究と実践が、本学会の力であり、基盤となります。
会員の皆様をはじめ、本学会の活動に関心をお寄せくださるすべての方々のご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。